後だしジャンケンはナシで

土曜日の夜は20年来の友達である、
Fちゃんと、仕事で知り合った、
共通の知人であるKさんと食事をした。

台風が接近しているということで、
街もお店もひとが少ない。

昼間は実家のある鎌倉にいたのだけど、
海のほうはさすがにすごい風で、
傘が壊れた。
東京に戻る時、東海道線は運休になっていた。

でも、こんな日をものともしないのが、
Fちゃんらしいといえばらしい。

きのこ鍋をつつきながら、
いろいろな話。

Kさんは経営者でもあるのだけど、
女性経営者ならではの大変さ、
そして女性を使う大変さなどを聞く。

その中で出てきたのが、
後だしジャンケンはナシ」ってこと。

恋人同士の別れとか、
家族でのケンカなどでもよくあるけれど、
「実はあのときこう思っていた」
「実はこれがキライだった」と告白されること。
これを言われちゃったほうは、
「言ってよぉ〜〜! そのときに」となる。
で、相手の答えは「そのときは言えなかった」
となる。


でも、そのときに言わなかった言葉は、
言わなかったなら、ぐっと飲み込まなきゃいけない。
心の中のシコリになったとしても。

仕事ならなおさら。

言わないことだって罪だ。

ときには立ち止まって、
「待って、待って」とか、
「すみません、もう一度」
ということも必要。

相手に威圧感があったとしても。
それを飛び越えなきゃ、
自分の思い通りに仕事なんてできないよという話。

言えなかった自分の勇気のなさは、
最終的に後悔になる。

昔、勇気のないわたしは、
後悔ばっかりしていた。

でも、やっとちゃんと自分の思うことを
ストレートに言えるようになったかなと思う。
時間はかかったけれど。

言いたいこと言って、やって
それでも失敗したなら、
それはそれであきらめがつく。

お店から出たら、
すっかり雨も風もおさまっていた。
台風はどこへやら。

Fちゃんは「勝ったという気がする」
と言って、ハイになってた。

とことん勝気でまっすぐなひと。
ウソがないから好き。

辛いこともバネにして、
いっぱい傷ついても前に進むひと。

本当に心の底からかっこいいなぁと思う。